着物ファンの間で人気の「大島紬」は価値が高く、中には100万円を超えるものも。
この記事では、大島紬の買取相場だけでなく、種類による値段の違いや売る上で失敗しない方法などを解説していきます。
記事を読むことで、所有する大島紬を価値に見合った適正な価格で売却できますよ。
- 大島軸とは何か知りたい人
- 大島軸をより高く買取してくれる業者の選び方を知りたい人
- 大島軸の買い取り相場が決まるポイントを知りたい人
- 高く売れる大島軸を知りたい人
- 少しでも高く売るためのコツを知りたい人
大島軸の特徴は?どんな着物?
大島紬は奄美大島(鹿児島県)が発祥の絹織物で、結城紬、牛首紬と並ぶ日本三大紬のひとつです。着心地と美しさを兼ね備え、多くの着物ファンに愛されています。
「先染め」、「手織り」、「絣合わせ」をポイントに製造され、伝統工芸品にも指定されている大島紬。
優雅な光沢を持ち、しなやかで軽く、シワになりにくいのが特徴です。また通常の着物と比べて水にも強く、雨の日に着る着物としても重宝されます。
大島軸の格は?
大島紬をはじめとする紬の着物は、基本的にはカジュアルな着物です。大島紬は紬の中でも価値が高いため、よそゆき着としてちょっとしたお出かけにぴったりの着物と言えます。
結婚式や披露宴といったフォーマルな場面にはふさわしくありませんが、上質な大島紬は同窓会や観劇、軽いパーティーの席には着ていくことができます。
軽くて着心地の良い着物で、さらりと着たい街着としてお出かけ時に活躍します。
大島軸の種類
大島紬と聞くと、黒地の着物をイメージされる方が多いのではないでしょうか。確かに昔は泥染めの黒地のものがほとんどでした。しかし、長い歴史の中でさまざまな染色手法や織り方が取り入れられ、今では100種類を越える大島紬が存在しています。染色方法によりその色合いも様々です。
ここでは、大島紬の中でも代表的なものを紹介します。
泥染め本場奄美大島紬
伝統的な大島紬である本場大島紬は、最も高価なことで知られる大島紬です。職人の手作業により多くの工程を経て製造されるため、生産数が極端に少ないことが高価な理由です。そんな本場奄美大島紬の定義は以下の通りです。
【本場奄美大島紬の定義】
- 絹100%です。
- 先染め手織りです。
- 平織りです。
- 締機(しめばた)で手作業により経緯(たてよこ)絣及び緯絣を加工したものです。
- 手機(てばた)で経緯絣及び緯絣を絣合わせをして織上げたものです。
引用元:本場奄美大島協同組合HPより
本場奄美大島紬の中でも、テーチ木による伝統的な泥染めが施されたものは希少価値が高く、高値で取引されています。
・草木泥染め本場大島紬
奄美大島で作られる本場大島紬の中でも、テーチ木以外の植物を使って染められた草木染め大島紬。奄美大島に自生するマングローブ等の植物を使用し染織される大島紬で、やはり職人の手作業で作られるため希少価値が高いです。泥染めの本場大島紬に比べると生産数は多くなります。
・白大島
地糸を黒く染めずに織り上げる白大島は、白をベースとした明るい色調の大島紬です。薩摩焼の原料となる白土を白泥に加工して糸に揉みこむことで、泥染めの大島紬に負けない豊かな風合いが生まれました。白地の糸に印した細かい絣柄を合わせる作業は高い技術が必要なため、泥染めの大島と変わらず高値で市場に出回っています。
・ブランド、作家物の大島紬
大島紬の有名な作家として名高いのが「都喜ヱ門(ときえもん)」です。都喜ヱ門は生涯を大島紬に捧げ、美術大島と呼ばれる緻密な絣柄で絵画のような大島紬を作り上げました。都喜ヱ門の大島紬は現存する数自体が非常に少ないため、着物ファンの中では幻の着物として憧れの逸品となっています。そのほかにも、有名な織元や作家物の大島紬はブランド品として人気が高いです。
・機械織りの大島紬
一番多く市場に出回っているのが、機械を使って織られた大島紬です。縞大島とも呼ばれ、無地や縞柄、格子柄などの単純な柄であることが特徴です。本場大島紬と比べて安価で購入できるため、市場に多く出回っています。
大島軸の買取相場
そんな大島紬は、一体いくらくらいで買い取ってもらえるのでしょうか?
平均的には、2〜7万円が相場のようです。
しかし、種類によって大きな差がありますので、種類別の買取金額の相場を見てみましょう。
・泥染め本場大島紬
買取価格:10万円以上
・草木泥染め本場大島紬
買取価格:5~10万円以上
・白大島
買取価格:3~10万円以上
・ブランド、作家物の大島紬
買取価格:1~10万円以上
・機械織りの大島紬
買取価格:数千円~2万円程度
やはり希少価値の高い本場大島紬や、ブランド品の大島紬は高値で買い取ってもらえるケースが多いようです。市場に多く出回っている機械織りの大島紬は、平均的な着物の買取価格より少し高値程度で取引されています。
価値別の買取相場
種類と同じく買取金額に大きく影響するのが、
- 「状態」
- 「丈」
- 「付加価値」
の3点です。
①「状態」
大島紬の状態は、買取価格に大きく影響します。
たとえ価値の高い大島紬を持っていても、シミやカビのあると買取金額が下がってしまいます。
日本は湿気が多い国。ずっとタンスにしまっていた祖母の大島紬を久しぶりに出してみたら、全体がカビだらけ、なんてことも…。
長年タンスにしまいっぱなしの大島紬は、天気の良い日に一度出して状態を確認してみてください。タンスから出すことで通気性が良くなり湿気も飛びますから、虫干し代わりにもなりますよ。
②「丈」
仕立て上がりの着物は、丈が長い物の方が高値で買取されることが多いです。
着物は着る人の体型に合わせて作られるため、サイズが大きければ柔軟に仕立て直すことができるからです。
一見寸法が短い大島紬でも、中に生地が折り込まれていることも。プロの買取業者なら、しっかり調べて値段を付けてくれるので安心です。
③「付加価値」
大島紬は、産地や染織方法で価値が決まることが多いものの、場合によっては付加価値が付くこともあります。
例えば、機械で織られた大島紬であっても、有名な染色作家によって色柄が染められたものは高値で買い取ってもらえるケースも。
このように有名作家が携わった大島紬であれば、本場奄美で作られていなくても高い価値がつきます。
大島軸を売る上で失敗しない方法
大島紬を売る上で失敗しない方法と、少しでも高く買い取ってもらう方法について紹介します。
・証紙を忘れない
証紙とは、高級な着物を購入した際に必ずついてくるもので、その着物の産地や染織技法が本物であることの証明書です。大島紬にも産地や染め方によってそれぞれの証紙があります。
証紙がついていない場合、本物かどうか疑われることがあり、買取値段が下がることがあります。証紙そのものに価値があると言っても過言ではないため、査定の際は必ず証紙を一緒に出すことを忘れないようにしましょう。
・メンテナンスやお手入れをしない
古い大島紬の場合、ほつれやシミ等が気になることがあります。
買取に出す前に少しでも状態を良くしようと、メンテナンスやお手入れをしたくなりませんか?
しかしそれは間違い。
ほつれの補修をすることで、かえって状態が悪いと見なされ買取価格が下がることも。また、シミ抜き等のお手入れは生地が痛む原因にもなります。
基本的にほつれやシミが原因で買取を拒否されることはありませんので、そのままの状態で買取に出すのが正解です。
・早めに買取に出す
いくら丁寧に保管していても、家庭の保存方法には限界があります。タンスの中でカビやシミが発生してしまうことも。
「いつか着るかな?」「買取に出すのは面倒…」と思わずに、一度タンスの中を整理することをおすすめします。
経年劣化する前に、少しでも早めに査定に出すのが高価買取のポイントです。
着物買取専門店がよい理由
着物の買取はリサイクルショップでも行っていますが、大島紬の買取なら断然「着物買取専門店」がおすすめです。
なぜなら、着物買取専門店には着物に精通した査定士が多く在籍しているから。
大島紬のように価値の高い着物ほど、しっかりとした知識を持った業者に査定してもらうことが大切です。着物の買取を専門としている着物買取専門店なら、大切な大島紬を価値に見合った適切な価格で買い取ってもらうことができますよ。
大島紬は着物の中でも希少価値が高く、高価買取となるケースが非常に多い:まとめ
いかがでしたか?
大島紬は着物の中でも希少価値が高く、高価買取となるケースが非常に多いです。
しかし、リサイクルショップやフリマアプリなどで売却すると、適切な価格で買い取ってもらえない可能性も…。
そのため、大島紬を売る際はきちんとした知識を持った着物買取専門店に依頼しましょう。
大切な大島紬を適正価格で買い取ってもらえますよ。
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